日刊ササボン

雑食系ライター/エディター・佐々木正孝プレゼンツ ラーメンと仕事あれやこれやの日々

博多 ラーメン 研究

ローカルラーメンには興味津々の私ではありますが、ラーメン目当てで旅したのは酒田ラーメンぐらいで、後は取材がらみか、出張に際しての単発食べがほとんど。体系立ててご当地ラーメンを食べたことはなかったのですが。

ここのところ定期的な出張が続いているので、福岡というか博多エリアでは新店、名店を集中的に巡る機会に恵まれました。

 

ホウテン食堂 奉天本家

まずは、中洲のこちら。イニシエ系の食堂がリニューアルしたということで、今様の「飲めるラーメン店」仕様のカジュアルなしつらえ。

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「元祖中州ブラック」を標榜する「奉天中華ソバ」。甘みある醤油が濃厚で、飲んだ後の朦朧神経にきく。とんこつラーメンが博多の代名詞になる前の、イニシエの味が、この醤油フレーバーだそうだ。

 

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普段は頼まない「奉天激辛麺」なんてのもいってしまう。

 

 ●らぁめんシフク

福岡 空港のそば、工場街の一角にあるこちら。「らぁめん」という店名からも察せられるように、豚骨ワールドに一石を投じる鶏清湯、鶏白湯を提供しています。博多ラーメンシーンでは2014年ごろから鶏白湯がブレイクしており、『麺道はなもこし』『鳥鶏研究団』といったお店が先導しているとのこと。

 

 

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塩らぁめん+玉子

滋味深い塩スープに、炙りをいれた鶏モモチャーシュー。平打ち手もみの中太自家製麺も存在感あって、ぷるんぷるん。

 

鈴木商店

夜っぽい飲みラーメンといえば、こちらも面白いお店。つまみも充実しているけど、ラーメンは「博多そば」「中華そば」「博多塩そば」の3種。それぞれ醤油とんこつ、醤油、塩に対応しているようで、ピュア豚骨ラーメンとは一味違うコンセプトの様子。

 

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豚骨だけではなく、鶏ガラもきかせているというベースに魚介ダシをプラス。麺は自家製。ストレート細麺、縮れの2種から選べるのも面白いところ。

つまみ編では、「かまぼこバター」が白眉。マヨラーにたまらないルックスです。

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● 久留米 大砲ラーメン 天神今泉店

久留米ラーメンの重鎮も、天神にて。こちらのお店を知ったのは、十数年前に見た佐野実氏出演のTV番組から。店主の香月氏と佐野氏、東西の食材の鬼が肝胆相照らす様に見入ってしまいました。

 

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あれから幾星霜、イベントではなく店舗でようやく食べる機会を得たわけです。豚骨を継ぎ足して煮込み続ける「呼び戻しスープ」は、旨みと深いコクをたたえています。

 

●黒豚ブラザーズ 天神店

 

こちらは店構え、コンセプト共に新鋭っぽさを感じますが、『博多 一番山』というバックグラウンドもあって、今時でありつつ、博多ラーメンの地層を感じさせてくれました。黒豚ラーメン 570円という価格もいい。

 

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黒豚豚骨の旨味感を知るにはまだまだ博多ラーメン経験値が足らないようですが、ほどよくコッテリなスープに、豚バラチャーシューも美味。明太子入りの「赤」、ニンニクでパンチをきかせた「黒」もあるのは面白そうです。

 

次回は『ラーメン海鳴』『安全食堂』『名島亭』『Shin-Shin』あたり、ぜひ味わってみたいところです。