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日刊ササボン

雑食系ライター/エディター・佐々木正孝プレゼンツ ラーメンと仕事あれやこれやの日々

書泉ブックタワー(秋葉原)

 書泉といえばグランデ、ブックマートの両巨頭でおなじみ、神保町。そんなイメージが強いが、ごくごくたまーに足を運ぶのが、こちらアキバのブックタワー。タワーって名称通り、ワンフロアのスペースは少なく、上へ上へと伸びていく構成だ。
 ただ、その構成には謎があるわけで。って、私ごときが異議呈するのも僭越にすぎる。ちょっとした疑問、ということで納得頂きたいのだが。

 1階に雑誌、新刊、ノベルス、旅行系といったラインナップ。これはまず無難な構成。だが、けっこうな集客というか、それ目当ての客が多いと思われる文庫コーナーは7階に位置しているんである。8階のコミックとか6階のスポーツ、といった構成はまだ分かるんだが、文庫がナゼ7階? エスカレーターでコツコツ高度を稼いでいくのはけっこう面倒なんだよね。
 グランデ、ブックマートはいずれも文庫スペースは1階だ。何でだろう? ちょっと考えて、以前デパ地下ライターに聞いたことを思い出した。

 昭和の百貨店業界では、上層階の催事場でバーゲン、物産展などを開催し、来店客を上階から下フロアに順次流していく、いわゆる「シャワー効果」が重んじられてきた。一方、平成のデパ地下シーンでは、B1などの下層階へガンガン集客させ、上へと誘導していく。これがいわゆる「噴水効果」である。

 さしづめ、ブックタワーは従前のシャワー効果を狙っている、ということなんだろうか。いや、ただ一階あたりの坪数が少ないだけか? とつまらないオチ。

 ってわけで、一応7階まで上がって順次下に流してきたわけだが、文庫新刊で特に目ぼしいものは見つからず。資料用の雑誌群をピックアップしてエンド。

 帰路の総武線で、ダ・ヴィンチの時代小説特集に目を通す。名作ランキングBEST30。1位の『龍馬がゆく』はじめ、読んだことあるのは8作。そんなもんか。っていうか、『坂の上の雲』が入ってるのはヘンじゃないか。あれは歴史小説だろ。いや、まあ時代小説と歴史小説の区分けは異論各論あるが。山田風太郎の明治物を時代小説に入れるならまだしも(それもヘンだけどさ)、日露戦争を中心軸に据えた物語を「時代小説」とくくるのには抵抗があるぞ、私は。
 ランキングにも入ってる『蝉しぐれ』『御宿かわせみシリーズ』『さぶ』あたりが一番このカテゴライズにはふさわしいのではないか。
 ほんで、次のページには「時代小説 平成傑作ランキング BEST30」が。18位に入っている『本能寺』池宮彰一郎が疑問。池宮彰一郎だったら『四十七人の刺客』か『島津奔る』だろう。いや、もちろん存じてます。『遁げろ家康』『島津奔る』での司馬遼盗作による絶版騒動は。でも『島津〜』は絶対ランクインするべき作品だからね。『本能寺』の方が入るってのはヘンな感じ。単なるチェック漏れなんだろうか……?