ラーメンクリエイター庄野さんがオープンさせたMENSHO@護国寺。レセプションにお招きいただき、参上した。
TRYで缶詰めになってた講談社をスルーして大塚警察署越えた、あそこ。そう、あのちゃぶ屋があったところ。私も幾度となく通い、仕事でも故武内伸さんと加藤鷹さんの「しお/ラーメン:吹き対談」を実現させた思い出の地でもある。
そんな歴史的ラーメン地層が折り重なる場所に、最先端のラーメンがやってきた。製麺スペースがたっぷりとられているのはもちろん、後楽園MENSHOにもあったラボに釘付け。ラーメン本が並ぶデスクはグループのビジョン、展開を語り合うスペースにもなろう。
おっと、製麺室には何と石臼も設置。日本蕎麦屋では見たことあるが、なかなかインパクトあるマシンだ。
潮らーめんをお願いする。
塩ではなく「潮」というワードをチョイスするあたり、庄野氏の意欲を感じる。全国各地の様々な海塩を使用。海の恵みを滋味を一杯にこめようということだろう。
さて、着丼。ご覧のように、丼はアバンギャルドな形状。紅の豚のマダムが、こんな形の帽子をかぶっていた気がする。
アニマルフリーとのことだが、鯛の香りがふわっと典雅に香る。潮スープは実にやさしく、まるい。
デコルテのような丼外縁には粒々と黒いあんこのようなもの。これはお品書き見ると、カラスミと、炭化したネギを粉状にして纏わせたホタテとのこと。中盤、しなやかな麺につけて口中に入れると、食感も味わいも段階変化。たのしい趣向。
後半、丼から直接スープを啜ろうとしたがこのカーブはなかなか至難であった…。
この店のキーワードは現代的であり、そして普遍的でもある。
Farm to Bowl……生産者とラーメン丼を直結させようという志。
サステイナブル……経産豚を食材に起用し、フードロスにも目を配る。持続可能な食の未来を展望する目線。
ガストロノミー……ラーメンをエレメントに分解し、一つの料理として構築していこうとする気概。
未食のつけ麺も、そして今後加わるという醤油ラーメンも、もちろん楽しみだ。ラーメンクリエイターの次なるプレゼンを待ちたい。