堀辺正史 ハヤブサR.I.P.
骨法の堀辺正史氏、元FMWのハヤブサ氏の訃報を相次いで聞く。
ふと思い出して、押入れをゴソゴソ。
あった。学生時代からの一時期、観たプロレス、格闘技、ライブ、コンサート、一人会、映画、トークイベント、芝居の半券を集めていたのだが、その中に、堀辺氏とハヤブサ氏ゆかりのものがあった。
FMWは、ボクシングのスピンクスとか、ロシア柔道のベリチェフやらテコンドー選手が入り乱れた世界最強総合格闘技タッグリーグ戦最終戦。東京ベイNKホールというお洒落なスペースで奇人シークに額を割られ鮮血をほとばしらせていたのが、まだ若手、本名江崎英治時代のハヤブサだった。
当時、90年代前半のプロレスファンはシューティングなどのガチ格闘技からU系、メインストリームの新日全日、そしてインディー、デスマッチのFMWやW☆ING、全女などの女子プロまでそっくり包摂して、丸ごと食らいついていた。何とも乱暴で豊かな時代だった。
今、UFCとオカダカズチカと欠場プロレスを並行して観ている人も…もちろんいるのだろうが、同時並行で同量の熱を注ぎ込めたのは、あの時代ならではだった気がする。プロレス格闘技というジャンルで、プレイヤーもメディアも、そして受け手も若かったのだろう。小さな紙プロが、その旗手というか先導獣だね。
そんなごった煮な空気は、今で言えば、二郎からミシュランまでまるっと食べて評論する、ラーメンフリークに感じられるような気もする。
堀辺氏とハヤブサ氏の訃報を聞いて、そんなことを考えた。
90年代も遠くになりにけり。