日刊ササボン

雑食系ライター/エディター・佐々木正孝プレゼンツ ラーメンと仕事あれやこれやの日々

新選組! to 真田丸

毎年、暮れになると取り掛かる大物原稿。大河ドラマのプレビュー。

(というか、試写見て書くわけじゃないのでブラインドプレビューというか)

清盛以来だから、早5年目ですか。来年は『真田丸』ということで、同じ三谷脚本の『新選組!』DVDをぽつぽつと観返すの巻。

 

みうらじゅんザ・スライドショー』と並んで、私が所有する数少ないボックスである。ただ、この10年でほとんど開いたことはない。まあ、そういうものである。
 
 
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久々に見る『新選組!』。32歳の頃に見ていたドラマとまったく違った装いで立ち上がる。2004年当時は土方、近藤らの青春群像の青さが印象に残ったものだが、今にして観ると、粗にして野だが繊細な面もある芹沢鴨にむしろ感情移入してしまうのだ。
 
桂小五郎に論破されてしゅんとなり、新見錦に「そこがあの人がもう一つ大きくなれないところだ」などと評されても涙こらえて無頼を気取る。そんなやせ我慢がしみる。芹沢の享年は37歳だが、演ずる佐藤浩市はオンエア当時44歳。中年最後の一花、な存在感が見事。浪人ながらも京の街に出で、時代と切り結んでいこうとする彼の姿に43歳の私がぐっとくるのも、むべなるかな。なのである。