日刊ササボン

雑食系ライター/エディター・佐々木正孝プレゼンツ ラーメンと仕事あれやこれやの日々

緋色の時代(下)@船戸与一(小学館)

 激戦で精神を病んだアフガンツィ(アフガン侵攻から帰還した元ソ連兵)の立ち位置は、80年代ならアメリカのベトナム帰還兵ってとこか。
 とにかく、ロシアンマフィア成り上がりサーガの血で血を洗う抗争の描写がすさまじい。下部組織の抗争なのに自走砲とか戦闘●●(これはネタバレっぽいか)まで持ち出されるんだから。今のロシア闇社会なら、決して荒唐無稽じゃないんだろうね。そ、「死者累計800人!」なんて帯に書けるのは船戸文学だけ!