日刊ササボン

雑食系ライター/エディター・佐々木正孝プレゼンツ ラーメンと仕事あれやこれやの日々

西荻窪・今野書店50周年メモリアル「コンノコ」がすごい

西荻窪の今野書店が50周年のメモリアルイヤーということで、年頭からキャンペーン中。このメンツが、まーすごいんです。

まず、こちら東海林さだお先生のブックカバー。ショージ先生といえば、やっぱり西荻窪。エッセイには、よくローストビーフの『真砂』が登場してました(といっても既にないけど)。

 

季節ごとに4パターン登場するというカバー、既に「冬」編は終了し、次なるシーズンの到来を待っているところ。

f:id:sasabon:20180215000753j:image

 

f:id:sasabon:20180215000734j:image

 

そして、毎月発行されるリーフレット「コンノコ」。江口寿史のイラストが表紙を飾り、ゆかりの作家陣がエッセイを寄稿する。1月が山田詠美、2月が角田光代、そして3月が枡野浩一・目黒雅也の枡目組という現状の並び。

 

大体中旬頃には払底するので、毎月かなり焦りながらゲットしている。12冊をコンプリートすると特製クリアファイルが(今野書店ポイントと交換で)もらえるのだそうだ。

 

f:id:sasabon:20180317065239j:plain

 

マイロードのブックセラーズ西荻が閉店し、颯爽堂もクローズ。信愛書店も規模縮小リニューアルし、書店の厳しさを痛感させられる中、こちらは西荻窪新刊書店で最後の牙城と言っていい。実際、いつ足を運んでも本読み、マンガ読み、雑誌好きが歩き、いい空気を醸し出している。棚の並びにもスタッフにも客にも熱量がある。

 

現在の場所に移転する前からマンガの揃えには注目していたが、駅前に移転してきてからは文脈棚とキュレーションぶりに一目置く存在。西荻窪に今野書店があれば安心だ。

 

 

 

 

 

 

をかしやそば@西荻窪

f:id:sasabon:20180311121904j:image

 

西荻窪でやってる、日曜昼限定の間借りラーメン店さん。

 

樹庵さんのツイートで知って、エリア民としては押さえておかねば、ということで訪問。

 

場所はアイスクリームぼぼりとか、ワールドメイト本部の通りの横路。信愛書店のちょうど裏あたり。

 

ふだんは「をかしや」という居酒屋さんとのこと。カウンターのみ6席ほどの小体な空間。
神田のマニッシュとか、移転前のajitoのようなサイズ感。店の雰囲気は全体として柔らかく西荻テイスト。

 

f:id:sasabon:20180311121926j:image

 

メニューは、手打ちの「自家製ラーメン」900円と大盛り+100円、小盛り-100円。

 

樹庵さんのツイート参照の通り、運ばれてきた丼は白河ラーメンのいでたち。ランダムな手打ち麺はピロピロ滑らかに滑り落ちそうで、意外にワイルド。強い歯ごたえを返してくれる。

 

f:id:sasabon:20180311121909j:image

 

深みのある醤油がきいて、スープもまろやかな味わい。まだ若い店主は限られた厨房空間の中で丁寧実直に仕事してなさった。

 

私のように樹庵さんのツイートに惹かれて来た人、西荻飲み屋シーンの情報網に引っかかってやってきた人など常に満席といった感じのいい循環。

 

2月オープンで週一、まだ5回目ぐらいの営業日だがポテンシャルは十分。

慣れてきたら杯数や営業日も増やし、限定なども展開していくとか。今後に期待大。

 

 

 

 

『くらべる世界』が刊行したって聞いて

岡部敬史さんの新作『くらべる世界』が出ました。

『くらべる東西』『くらべる値段』などの快作が続く、

比較ビジュアル本シリーズの最新作です。

 

f:id:sasabon:20180310224549j:image

 

日本のアレと世界のアレ、文化の違いを写真で表したらこうでした、というテイ。

学校の休みが記入された「フランスのカレンダー」、月曜始まりが「ドイツのカレンダー」とか、レジメンタルタイは英米で斜めの向きが違うとか、レンガにはイギリス式・フランス式があるとか……知的好奇心をくすぐるトピックが満載なのです。

 

 くらべる世界

くらべる世界

 

 

で、その刊行パーティーに足を運んで参りました。

場所は外苑前の『WORLD BREAKFAST ALLDAY』。2ヵ月ごとに対象国を変えながら、世界の朝ごはんを紹介しているというコンセプトレストラン。『くらべる世界』の朝食編にもご登場しているというご縁から会場になったとのこと。オープンから5年が経つというが、恥ずかしながらまったく知らなかった……。東京の食文化の幅広さを今更ながら思い知った次第。

 

で、今回のタームは「ポーランド」。中学校時代の同級生がポーランド人と結婚したり何だりしていて、ポーランド名物がソーセージというのは知っていましたが、「ポーランド料理」というとまったくイメージが湧きません。こちらのお店、試作したらその国の人に食べてもらってゴーサイン出すというから、かなりのガチ。当然今回も、ポーランド広報文化センターのお墨付きとか。

 

まあ、とりあえずはポーランドビール。

 

f:id:sasabon:20180310215023j:image

ちょっとシャバっとした感じでゴクゴク飲める。そんなにクセのないライトな仕上がり。

 

f:id:sasabon:20180310215040j:image

ジュレック。ライ麦粉とハーブ類を発酵させた「ジュル」をベースにした酸味のあるスープとか。さわっとした酸味が朝ごはん的には食欲をかきたててくれそうです。

 

f:id:sasabon:20180310215052j:image

水餃子っぽいこちらはピエロギ。チンギス・ハーンが攻略したところには餃子料理ありという説明に納得。

 

f:id:sasabon:20180310215101j:image

出たー、ソーセージ。じゃがいもと小麦粉で作るパンケーキ「プラツキ」の付け合せにご登場。じゃがいも料理はドイツ近くだからでしょうか。こちらも変にいじらない、素朴なタッチ。

 

f:id:sasabon:20180310215113j:image

フィニッシュはりんごのデザート。ラツーシュキ。外はサクサク、中はりんごでジューシー、しっとり。これは旨い。最後にこっくりした穀物コーヒーで締めて、大満足のポーランド漬け。また新たな食世界を知ることができました。

 

こちらの世界の朝ごはんワールドシリーズポーランドで30か国めぐらいだったということで、4月からはマレーシア編がスタートするそう。マレーシアといえば、私が初めて海外旅行に行った国。もう二十数年前だけど、朝ごはんはロティだったり、ロティトトゥルールだったりと、いろいろ思い出すものです。「朝ごはんを通して世界を知る」という地に足の着いたアプローチ、これは応援していきたいところですね。

 

 

 

 

 

 

【ライター】今年の書籍仕事

ここ数年、書籍の仕事は年2冊ペースで安定。足早に2017年を振り返る。

 

f:id:sasabon:20171230195534j:image

 

知られざる日本に眠る若冲【完全保存版】 

7~9月を費やして書き上げた若冲本。監修の狩野博幸先生に何度も取材打ち合わせ、京都にも足を運んだ。まさに今年は若冲の夏。90作品をオールレビューするという得難い体験をさせていただいた。

 

若冲は、作品以外に人となりをうかがわせる資料がほとんど残っていない。盟友である大典の文とか肉筆の手紙程度。だからこそ、作品にダイブして、帯を書いていただいた澤田瞳子先生の作品のように、想像の翼を広げるしかないわけで。

 

 

しっくりこない日本語 (小学館新書)

しっくりこない日本語 (小学館新書)

 

書籍内の対談構成を担当。北原先生、『問題な日本語』の視点は健在で、最近の若者言葉にも深い関心を寄せていらっしゃった。

日国の松井先生もそうだったが、ことばの大家は「言語は変化していくもの」というのが大前提にある。日本語の「乱れ」より「変容」の方に興味を持ってフォーカスしていくという印象。「正しい用法、意味はこうなのだよ」といった言い切りをすることはない。

湧き出ることばの泉と知的好奇心に感服したひと時でした。

 

1800円の美術書とコンパクト新書というコントラストで書籍仕事締め。2018年は3冊ほど仕込んでいるので早く結実させたいところだけど… 。

 

【山道具】メインザックを選ぶまで

この夏から、 山登りを再開しました。

小3の息子をパートナーに丹沢、奥多摩にテント泊山行を敢行したわけですが、

先日の雲取山、地獄の鴨沢下りでトラブル発生。

 

メインザックであるミレーのショルダーベルトがビリリと破損してしまいました。まあ、学生の頃から四半世紀近く使ってきた(中断10年以上)から経年劣化も甚だしいし、シルエットも表地も一時代前という感は否めないわけで。テント泊を再開する来春まで、次期の相棒をじっくり見繕ってみようと思った次第。

 

神保町のさかいやスポーツへ。

こちらは、仕事先である小学館集英社プロダクションが入っているビルの1階。

何かと立ち寄る機会が多く、使い勝手よいんです。

 

f:id:sasabon:20171020150108j:image

 

大型ザックコーナー。

やはり私はテント持ちなので70L台がマストになります。

学生時代はLowe Alpine、ミレー、ゼロポイントあたりを背負ってるヤマノボラーが多かったが、時代は変わるものです。

 

f:id:sasabon:20171020150059j:image

 

このあたりのラインナップを見ても、バルトロ、オスプレイ、グラナイトギア、ミステリーランチあたりが人気レーベルになるでしょうか。

 

ザックといえばのミレーも、片隅に見つけました。

 

f:id:sasabon:20171020150128j:image

 

私はもともとキスリングを背負ってきたようなスタイルなので、ウルトラライト志向ではなくヘビーデューティー寄り。メインザックに求める要件は以下の通り。

 

背中への密着感(重心の安定)

クッション性の高いショルダーハーネス(背負ったときの心地よさを担保)

エストベルトのホールド感(腰で背負う)

生地のある程度の堅牢性(パッキングがずれずバランス良し)

 

ミレーはピタッとした背中への密着感が時に心地よく、汗かきの私には時にウザかった。ダイレクトアクセス的なジッパーも、行動中はあまり使わないので必要性は感じない。そういう意味では、ドイターの背面メッシュというのも有力な候補になるのかな。

 

山道具トーク仲間の森口カメラマンに相談してみた。

メインザックは何使ってます?

 

バルトロ65赤を持っていますがほとんど使っていなく。ウルトラライト寄りだとグラナイトギアのメディリアンペイパーを使っています。

 

 ほうほう。バルトロ、ほんと頻出。グレゴリーといえばアーバンアウトドアなイメージでしたけど。意外にガチにも対応? シルエットもいいし、フィット感と小物収納力もありそう。グラナイトギアは発色が良くアメリカンブランドな感じ。

 

あと検討しているのが、新形ハーネスに変わった、オスプレイのイーサー70ですね。マンハーの70、ミステリーランチ、アークテリクスも視野に入れて検討したんですが、今はオスプレイの背負い心地がしっくりくる感じです。

 

うんうん。オスプレイ、確かに背負いやすそう。マウンテンハードウェアもロングトレイル向きに思われますが、収納力のわりにはコンパクトな印象です。アークテリクスは……勉強しないとな。

 

う~ん、悩ましい。だけど……このあれこれ考える時間もまた、至福。

 

買うまでが一番楽しいですね。

 

ほんとほんと、家に帰ってくるまでが山行と言うけど、選んで買うところからもう山が始まっているんです